七難ハック
眩しかった日のこと
最終更新: 2022/04/28

――そんな夏の日のこと


今日はなんの話かって言えばポエムですね、ポエム。
最近雑に思ってることの話でもしようかなと。

暑くなってきたし、GW前だし。


眩しかった日のこと

この時期になると思い出すことがあって、それは5年前のやはりGW前なんですが、僕は当時渋谷の雑居ビルにある会社に勤めていて。
その日はGW前のとても穏やかな陽気に包まれた、いつもとなにも変わらない日だったのをよく覚えています。

お酒が大好きな先輩が昼間っから「ビール飲みてえ」って言いながら仕事してて、僕は当時まだ全然手に入らなかったニンテンドースイッチの話をしていたと思います。
そしてその日は珍しくランチみんなで行くかーなんてなって、近所の中華屋で食べたんです。珍しく。
僕はいまもそうですがあんまり人とランチ行かないというかそもそもお昼にご飯を食べる習慣がないので、行くことは少ないんですが、この日は珍しくチームでランチに行ったんですよね。
そんな感じで、みんなでワイワイしつつ、なんとなく、明日から連休というどこかプールの後の国語みたいな気だるい午後をみんなで過ごしていた気がします。のんきなもんだな←

問題が起きたのはそのあとで、まあ結局大きな障害が起きてその日はみんな帰れなかったと記憶してます。それも当時の未熟な僕には全然わからなかったものの、今にして思えば正直たぶんあのアラートは無視してもよかったはずのもので、それに対応するため夜を徹したわけですよね笑
うん、昼間のゆるい感じが嘘のようにしんどい連休前になったのでめちゃくちゃ記憶に残ってるんですこれ。
いろんな意味で熱かった日だ〜


いま

あれから何年も経って、どうなったかっていうと変わらないんだなこれが。相変わらずとんでもなく働いている。(それもあってこの話を思い出してた)
障害が理由じゃないことだけは救いなんですが、世に言うデスマーチ(死語)は、あれから数年の間僕がどこに行ってもついてくる。
ここまで来ると自分が大変な案件を呼び寄せているのでは?そういう体質では?という気すらしてくるわけで。

いやー、変わらないなwというのをGW前の今日ふと思ってたんですよね。


変わったこと

でも正直、めちゃくちゃ変わったことがあって、それは確実に1人の技術者として強くなったことで。特に、難タスクを背負うことが増えて感じるのは「汚い実装を躊躇わなくなった」と思います。雑に書いてるって話ではなく。

時間的制約だったり、コスト的制約だったり、ビジネスでコード書く以上、技術的な制約より外部起因の制約の方が多いと感じます。
そういうとき「こんな汚い実装まじでイヤなんだけど……」と思っても、それを選択肢から除外することはなくなったし、完遂するためには躊躇わなくなったなと思ってます。
昔は実装にこだわって選択肢から除外していたものがいろいろあったけど、今はそういうのなくなったというのは、成長したと思うし、それを選べるのは結局のところ「汚い実装であっても動作が問題ないことには自信がある」からだったりするわけで、ということは汚い実装にも自信が持てるくらい知識の幅は広がったし技術の奥行きも深まったのだろうと思うわけです。(もちろんまだまだ未熟者ですが)

なので、恐れなくなりましたね笑
短納期でも、複雑な実装でも、怖くなくなりました。それくらいならやりきれるわーって思えるようになったので、昔と変わらず鬼のように忙殺されていても、精神的な余裕が意外とあるので、昔より楽です。(なお体力的な余裕はない模様)


もちろん

理想は綺麗な実装です。
まあでも必ずしもそんな都合よく綺麗に書く余裕なんてないわけですし、往々にして汚い実装は発生すると思います。僕はそういう苦渋の選択をする際についつい「これが(いまこのプロジェクトにおける)たった一つの冴えたやり方」と言ってしまうのです。(本音を言えばこの言葉を使わずに済むくらい余裕のある開発をしたいです笑)

この言葉を使ってしまえば、ほかの選択肢を考えることを放棄してしまった気がして少し怖いです。
常に選択肢を考え続けることが重要なわけですが、いろいろと差し迫った状況で僕はついついこの言葉を持ち出してしまう。昔から「結論を出すのが早すぎる」と言われますが、それはつくづくその通りだなと感じる場面ですね。

同時に、「でもじゃああのとき他の選択肢を取る可能性を考えられたんですか?」と言い返したくなることも多々ある。タラレバはいくらでも言えるので。

とどのつまり、僕にできるのはそれが視野狭窄の結果の汚い実装だったとしても、特定状況下における最適解の汚い実装だったとしても、確実に実用に耐えるサービスをつくりあげることだけだと思ってます。


終わりに

僕はすごく感謝してる人がいて、前職のCTOなんですが、あの方から教わったものはすごく多いんですよね。この話含め。
ビジネスでサービスをつくって提供するうえで、なにが大事でなにが大事でないかというのを全部教わったような気すらします。
自分とは異なる思想の持ち主だったので、すごく新鮮な日々でした。でもあのとき教えてくれた思想が一番いまも役に立っているというか、自分にはなかった視点を教えてくれたこと、そのおかげで技術者としての成長があったと、とても感謝しています。またどこかでご一緒したいなと思ってます。

思えば遠くに来たもんだ、なんて感じる日々です。
転職して一年、あっという間だったなと思います。
いろいろありますが、今日のこともまた、眩しかった日となるのでしょう。